予防歯科では、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、それらの病気を予防するための治療を行います。病気になってから治療をしたとしても、失ってしまった歯や歯周組織は元には戻りません。だからこそ、しっかり予防していくことが大切だと考えます。
歯磨きのタイミングは食後と思われている方が多いかもしれませんが、実は一番重要なのは就寝前の歯磨きです。寝ている間は、唾液の分泌が減るために、口の中の細菌が増えていってしまいます。寝る前に正しい歯磨きを行って、口の中を徹底的にきれいにすることが大切なのです。
現在の歯磨き粉の多くにフッ素が含まれていて、このフッ素のおかげで日本人の虫歯が減ってきました。フッ素をできるだけお口の中に残すために、歯磨き粉を使った後のうがい1,2回程度で味が残るくらいにすると効果的です。歯磨き粉の味が苦手なお子さんにはフッ素洗口もおすすめです。
歯は食事のたび、間食のたびに虫歯菌が酸を出し、脱灰を起こします。唾液によって溶けた歯は戻ります(再石灰化)が、間食が多い人や、飴や糖分の入った飲み物を常に口にしている人は再石灰化が追い付かず、虫歯になってしまいます。健康的な食生活をおくれば虫歯は予防できます。
キシリトールが虫歯を防ぐ理由は、大きく2つに分けることができます。
1つは「虫歯の原因にならない」ということ。キシリトールは口の中で「酸」をまったく作りません。さらに酸の中和を促進する働きも持っています。唾液も出やすくなるなど、口中を虫歯になりにくい状態に保ってくれます。
もう1つは「虫歯の発生、進行を防ぐ」という効果。虫歯の原因となるプラークをつきにくくします。さらにキシリトールは、虫歯菌(ミュータンス菌)の活動を弱める働きを持っています。この働きは、他の甘味料にはみられないキシリトールだけの効果です。
虫歯予防に効果のあるキシリトール製品は、シュガーレス表示があるガムかタブレットだけです。(他の製品では、効果が証明されていません。)キシリトールの割合が大きければ、それだけ効果がありますが、現状では50%以上含まれているものをお勧めします。
歯磨きで100%汚れを取るのはとても大変です。自分の磨き癖をプロにチェックしてもらい、歯磨き上手になりましょう。
プロのクリーニングできれいにした後には、フッ素塗布が有効です。
以上はすべての方に実行してほしい一般的な虫歯予防法です。
次に、そのほか必要に応じての予防法です。
斜めや横向きに生えている親知らずは、食べ物が詰まりやすく、歯磨きが難しいこともあり、虫歯になりやすい歯です。また、親知らずだけでなく手前の歯も虫歯になりやすくなるため、早めに抜歯をして磨きやすい環境を作ってあげることが大切です。
<親知らずの抜歯>
<治療例>
大人の虫歯治療の多くは、以前に治した歯の再治療です。銀歯やレジン(プラスチック)は虫歯菌が付きやすい材料のため定期的にやり直しが必要です。セラミックは劣化も少なく、汚れも付きにくい材料なのでやり直しの治療を少なくすることができます。
<審美歯科メニュー>
<治療例>
歯並びに凸凹があると、歯ブラシが届きにくく磨きにくい場所がでてきます。また、歯並びが悪いところは自浄作用や唾液の流れも悪くなり虫歯のリスクが上がります。歯並びを治すことによってブラッシングがしやすい環境を作ります。
<矯正歯科>
<治療例>
国立デンタルオフィスで行っているスタンダードなメインテナンスプログラムです。
ブラッシングには一人ひとりクセがあり、どうしても磨き残しができてしまうもの。プラークの染め出しを行い、磨き残しやすいポイントを確認します。
染め出しの結果をもとに一人ひとりのクセを見直し、正しいブラッシング方法を指導します。予防の基本であるブラッシングを、自宅で正しく行えるようになりましょう。
「PMTC」とは、歯科のプロが、専門の器具を使ってクリーニングする処置。日頃のブラッシングだけではどうしても落とし切れない汚れを、徹底的に取り除きます。最後に歯面をツルツルに磨き上げ、汚れがつきにくくします。
歯質を強くする効果を持つフッ素を、定期的に歯の表面に塗布することで虫歯になりにくい歯にします。PMTC後のフッ素塗布は特に有効です。
フッ素には歯を再石灰化させる力もあるため、ごく初期の虫歯であれば治癒が見込めるケースもあります(オプション費用1500円+税)。
<治療例>
国立デンタルオフィスでは治療が終了した後、1~3ヶ月ごとの定期検診をおすすめしています。
定期検診では、症状が改善されているか、また新しい虫歯ができていないかなどの確認を行い、問題のない方はそのままメインテナンスプログラムを受けていただきます。
当院でのメインテナンスは、フッ素塗布以外は保険診療で対応しておりますので、ご安心ください。